勘定科目リファレンス

簿記会計の勘定科目に関する用語解説を仕訳例とともに掲載しています。

売上(売上高)

[読み方]うりあげ(うりあげだか) [カテゴリ]営業損益の部(売上高)
[英語]Sales (Net sales)

売上とは

商品や製品、半製品、副産物などを販売したり、加工、サービスを提供したというように、企業活動の主たる営業活動から発生する収入が売上になります。臨時的な屑(くず)などの売却や金額の少ないものは営業外収益とします。分かりやすくいうと、会社の定款に記載されている「目的」にあてはまる事業からの収入が売上となります。

販売活動は企業活動の中心となるだけに、会計上のポイントも多くなります。いつ売上を計上するか、返品、値引をどう扱うか、リベートをどう処理するかなどが重要です。

売上と売上高

「売上」は日々の取引活動において発生のつど仕訳される勘定科目です。

一方、「売上高」とはその日々の売上から売上値引や返品を控除した純売上金額を指しています。決算の際に損益計算書に表示されるのは、この「売上高」となります。

売上の計上時期

売上をどの時点で計上するかは、正しい営業成績を表すためには重要なルールです。特に期末の時点で、売上がルールにしたがってきちんと計上されているかどうかがポイントです。もちろん、それは経営者の経営管理上、当期の業績を正しく見ることからであり、正しい税務申告をする上でも非常に重要なことです。

売上の計上基準は、営業活動など会社の実情に最も適した基準を決め、継続してその方法を適用しなくてはなりません。主な売上の計上基準としては、以下の基準があります。

①出荷基準……製品や商品を工場や営業所から客先に向けて、実際に出荷した日を売上日とする方法です。品物がこちらの手を離れたという事実をもとにするので、分かりやすくはっきりしていて最も一般的な方法です。もちろん出荷には、包装、船積み、トラック運搬など、いろいろな段階があります。出荷基準を選択する場合には、どの段階をもって出荷とするかを、具体的に決めておく必要があります。

②引渡基準……商品を相手に渡した時点で売上にする方法です。自分の店で売る場合は分かりやすいのですが、先方へ納品する場合は、先方からの仮受領印の日付をもって売上計上することになります。

③検収基準……納品されたものは通常、注文書の商品と数量が合っているか、品質に問題がないかどうかが確認され、それに合格してはじめて取引先における仕入が承認されたことになります。検収に合格するまではいつ返品になるかわからないため、それまでは売上にしない方法で、慎重な計上基準といえます。特に大型機械などは、据付けや試運転に合格してはじめて引渡し完了となることが多いので、検収基準が望ましいといえます。通常は受領書や検収書などの検収日をもって売上が計上されます。

④回収基準……現金が入金された時点で計上するのが、回収基準の典型例です。代金の支払いを受けたときに売上を計上するため、最も手堅い方法といえます。小売業のように現金売りがほとんどというような場合は、この方法が多く見受けられます。

そのほか、建設工事などでは工事完成時に売上を計上することを原則としています(工事完成基準)が、工事が長期におよび、回収までに相当の年数を要する場合などには、進捗状況に応じて売上を計上することも認められています。

特殊なケースの売上計上時期

通常の販売形態とは違う特殊な販売形態をとる場合には、前述の売上計上基準とは異なる計上基準も認められています。

①委託販売……自社の商品販売を委託する取引です。受託者は売上計算書を作成し、委託者に報告します。委託者はこの売上計算書をもとに、委託品が販売された日をもって売上を計上します。

②試用販売……試用販売はあらかじめ商品を送っておき、一定の試用期間後その商品を買い取る意思表示を受けて、はじめて売買契約が成立する販売形態をいいます。買取りの意思表示があった日をもって売上を計上します。

③予約販売……予約金を受け取って販売する形態をいいます。商品の引渡し、または役務の提供が完了したとき、予約金を売上に振替計上する方法です。まだ引き渡していない分の残高は貸借対照表上の負債の部に、「前受金」として表示されます。

④割賦販売……代金を一定期間内に分割して受け取る契約で、商品を引き渡す販売形態です。売上の計上は商品を引き渡した日(引渡基準)を原則としますが、例外的に割賦金の回収期限到来の日(支払期日到来基準)、または入金の日(回収基準)とすることも認められています。

売上値引、売上戻り

売上値引とは、販売数量不足、品質不良、破損などの理由で代価から控除される金額のことをいいます。また売上戻りとは、品違いなどの理由によって買主から商品が返品されることをいいます。売上値引は値引の承認をした時点で、売上戻りは返品された品物が会社などに持ち込まれた時点で処理します。

売上割引、売上割戻し

一般に、代金が期日よりも早く支払われたとき、その分の利息相当分を代金から引くということもしばしば行われます。これを「売上割引」といいます。売上割引は利息に相当するものであるため、売上から控除することはできず、営業外損益の部に記載されます。

売上割戻しは、報奨金、協力金、目標達成金など色々な名目が付けられていますが、通常は売上に一定割合を掛けるなどの方法で決められます。売上割戻しは、いわゆるリベートのようなものです。

売上割戻しをいつ計上するかは、次のような条件ごとに異なります。

算定基準が販売金額か販売数量によっており、相手方にも契約書などで明示されている場合は、売上時点で売上割戻しも計上します。

相手方に明示されていない場合は、原則として売上割戻しを相手に通知するか支払ったときに計上します。ただし、算定基準が社内ではっきり決まっており、決算期末に売上割戻し額を計算して未払金に計上し、あわせて、税務申告期限までに相手方に通知すれば、税務上は継続して適用することを条件に、売上期の損金として認められることになっています。

売上割戻しをすぐには支払わず、例えば5年超も預りにしておくような場合は、税務上は原則として支払うまで費用計上は認められません。

売上高の表示方法

売上高は営業損益の部の初めに表示します。このときは、値引、戻り、割戻しなどの金額は総売上から差し引き、純額売上で表示するのが原則です。上場会社に適用される財務諸表等規則では総額表示をとることも認めていますが、純額表示をとるほうが一般的です。

また、商品、製品、サービスの売上の区分表示が原則となっており、またそれぞれ主要な事業活動になっている場合は、売上表示も事業の種類ごとに区分することもできます。

仕訳例

  1. 商品100万円分を売り上げた。
  2. 借方 貸方
    現金1,000,000
    売上1,000,000
  3. 商品を50万円分販売したが、その代金は後払いとなっている。
  4. 借方 貸方
    売掛金500,000
    売上500,000
  5. 上記の代金50万円が、期日に当座預金へ振り込まれた。
  6. 借方 貸方
    当座預金500,000
    売掛金500,000
  7. 【売上値引】商品の一部にキズがあったため、3万円の値引きを行った。
  8. 借方 貸方
    売上値引30,000
    売掛金30,000
  9. 【売上戻り】20万円分の商品が返品されてきた。
  10. 借方 貸方
    売上200,000
    売掛金200,000
  11. 【売上割戻し】ある得意先による商品購入が規定の数量を超えたので10万円の売上割戻し(リベート)を支払った。
  12. 借方 貸方
    売上100,000
    売掛金100,000

関連ページ