勘定科目リファレンス

簿記会計の勘定科目に関する用語解説を仕訳例とともに掲載しています。

営業権

[読み方]えいぎょうけん [カテゴリ]固定資産(無形固定資産)
[英語]Goodwill

営業権とは

「営業権」は暖簾(のれん)とも呼ばれるもので、取引先や金融力、従業員の質、営業上の名声、法律的・政治的特権といった、企業の信用を背景とした超過収益力(総資産を上回って評価される部分)をもたらす権利のことをいいます。例えば、ブランドは営業権の代表ともいえるものです。営業権は、企業の継続的な経営において培われた無形の資産とみなされるため、資産(無形固定資産)として計上します。

企業の隠れた財産ともいえる営業権は無形固定資産のひとつですが、これらは自社が評価して計上することは認められていません。他社から営業を讓り受けた場合や、合併により讓り受けたなどの場合に限り、営業権は数字となって表われ、計上することが認められてます。

例えば、A社が時価で20億円の資産をもつB社を25億円で買収したとします。この場合、B社の評価は実際の財産の価値より5億円も上回ることになりますが、この部分はB社の超過収益力をA社が評価したものといえます。したがって、A社はその超過分(5億円)を営業権として計上します。

営業権につながるもの

営業権につながるものとしては、以下のような例があります。

  • 企業のブランドイメージ
  • 商品やサービスの知名度
  • 従業員の質
  • 経営組織
  • 取引先の信用
  • 金融力
  • 仕入先
  • 地理的条件

営業権の償却

営業権は法律上の権利ではなく、超過収益力という営業上の有利な地位を表すだけのものです。そこで、債権者保護の立場をとる商法では営業権の早期償却が望ましいとしており、5年以内の毎期均等額以上の償却をすべきとしています。つまり、実質的な財産的価値のないものは早く償却し、資産勘定に残さないほうが良いというのが商法の立場です。

仕訳例

  1. A社はB社の営業の一部を讓り受けるにあたり、財産を評価(5,000万円)し買収した。営業権は700万円だった。
  2. 借方 貸方
    諸資産50,000,000
    営業権7,000,000
    当座預金57,000,000
  3. C社は総資産6,000万円、負債1,000万円のD社を合併した。この合併により、D社の株主に交付した株式の金額は6,500万円である。
  4. 借方 貸方
    諸資産60,000,000
    営業権5,000,000
    諸負債10,000,000
    資本金65,000,000
  5. 営業権(取得価額5,000万円)について、商法の最低限度額の償却をした
  6. 借方 貸方
    営業権償却10,000,000
    営業権10,000,000

    5年以内の毎期均等額以上の償却

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